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015:建築開始 – 必要な時にはサポートが現れる

Construction

その後、打合せを重ねながらヴィラの最終レイアウトを詰めていきましたが、ここでとてもありがたかったのは、各分野の専門家のサポートを得られたことでした。

家を建てたりリフォームをした経験がある人はわかるかもしれませんが、素人の場合は図面を見て、そこから頭の中で立体的な空間をイメージするのはなかなか難しいものです。

図面では広く感じたのに、家具を置いたら狭く感じてしまったり、サンプルを見て選んだ壁紙を実際に貼ったらイメージと違ったり、そんな経験があるかと思います。自分の家や部屋なら、「仕方ない」と自分が諦めれば良いことですが、大勢の人に出資してもらって作るホテルではそうはいきません。

そんな時にサポートしてくれたのは二人の専門家でした。

まず一人目は、大手住宅メーカーに長年勤務しているMさん。彼はヴィラの間取り、壁や床のカラーリングなどに関してたくさんのアドバイスをしてくれました。彼は会社の中でも要職に就いており非常に忙しいため、果たして協力してもらえるかどうか不安でしたが、私がお願いすると、二つ返事で快諾してくれました。

そしてヴィラが完成するまでの間、日本で相談したのはもちろん、多忙なスケジュールを調整し、何度も何度も、毎回ほとんどとんぼ返りの状態で実際にバリに足を運んでくれました。最終的に完成したヴィラは非常にクオリティが高いものに仕上がりましたが、彼の協力がなければ到底実現できなかったでしょう。

そしてもう一人。部屋のインテリアについては、いつもお世話になっていたインテリアショップに勤務していたSさんがサポートしてくれました。

彼女はとてもセンスの良い方で「ぜひアドバイスをもらいたい」と思っていたのですが、お仕事が忙しくてバリに行くような長期のお休みを取ることが難しく諦めていました。

ところが、ちょうどヴィラの建設時期と同じ頃、ご自身でお店をオープンするということで以前の勤務先を退社することになったのです。まさにぴったりのタイミング。

そこで、お店をオープンする間の短い期間にスケジュールを調整し、実際にバリまで来てもらってヴィラのコーディネイトをして頂く事ができました。

大きな事は自分一人の力では達成できないが、たくさんの人の力が集まれば、どんな事でも達成できる。

ものごとが上手く進むときは、自分の力だけではどうにもならないことが、まるで何かの力にサポートされているかのように絶妙のタイミングで起きることがあります。

必要とするときに本当に必要な人が現れる。そんなことが次々と起こると、目に見えない力でサポートされていることを感じます。

建設が始まり徐々にホテルが形になるにつれて期待が高まる反面、「目標通り運営して収益を上げることごできるだろうか?」という不安な気持ちも芽生えてきました。

そんな時、この根拠のない「サポートされている感じ」は大きな心の支えになりました。「このプロジェクトは必ず上手く行く!」と、自分に言い聞かせ、ひとつずつ課題をクリアながら前進していったのです。

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